これが究極の断捨離!?【ブックレビュー】寂しい生活
本屋さんに行ったら、稲垣えみ子さんが書いた「寂しい生活」という本を見つけました。
「えっ、寂しい生活って、何が寂しいのかな?」表紙は、アフロヘアーをした女性が瞑想しています。「アフロだ!なんか面白そうな本なだぁ」と思い手にとりました。
アフロヘアーで有名な元朝日新聞社にお勤めだった稲垣えみ子さんの本。
情熱大陸に出演したこともあり、写真を観たら、「あっ、知っている」って方も多いのではないでしょうか?
この本は、アフロの稲垣さんが、東日本大震災をきっかけに原発について考えるようになり、電気に頼らない生活を実践していくというお話です。
ヘアドライヤー、電子レンジ、炊飯器、掃除機など数々の電化製品とさよならしていきます。
夏も冬のエアコンに頼らない生活!!ついに、冷蔵庫や洗濯機まで手放していくのですから、びっくりです!月の電気代金は、なんと150円です。
そのような生活をしていくうちに気が付いていくことも、色々あって、その内容がとにかく面白いです。
例えば…冬にすごーく寒いときにエアコンなどを使わずに、実家から持ってきた火鉢を使って暖をとろうとします。しかし、火鉢は確かに灯が見られるのだけど、全く温かさが感じられません。
外気と全く変化がない部屋の中で、火鉢の火を見ていると心の中メラッとした炎のようなものを感じる著者。
気温としては、何も変化が感じられない中で、火鉢から、ほんの少しの温かさを一生懸命に感じようとする試みを楽しい遊びと表現しています(笑)
冬はつとめて。清少納言の「枕の草子」の冒頭の一説である。「つとめて」とは早朝のことだ。
とても寒い時に、火を急いでおこして炭を運んでいくことがたいそう冬にふさわしくて良いものだと、平安時代の歌人はしみじみと書き綴っているのである。
だが、その本当の意味を実感したことがある人間が、この現代日本に果たしてどれほどいるのであろうか?
私はだた一人、神戸のマンションの一室で時空を超えたのだ。
このエピソード、とても面白いです。稲垣さんのビビビの感性に惹かれます。
しかも、そのページのイラストがこちら
アフロの稲垣さんが、清少納言になっちゃってます。
エアコンに頼らない生活を送ることで、梅雨が明ける感覚や、暑い中にも秋の気配を感じたり、冬の寒い時期に、確実な春の訪れを空気から感じたりできるようになる姿は、もやは人間の境地を越えています。
家電を手放すことで、逆に家事がシンプルになり、メンドクサイと思っていた家事が楽しみに変わったなど、新しい発見がたくさん!
題名は「寂しい生活」ですが寂しさを感じられない姿が書かれていました。これぞ究極の断捨離です。
あえて題名を付けるとしたら「何もないけど色々ある生活」だと思いました。
稲垣さんのような生活はとても出来ないけど、この生活に惹かれる自分も確実にいます。
人々は便利さを求めて、色々な商品を開発して販売、購入してきましたが、はたして本当に豊かでゆとりある生活ができているのだろうか?との問いかけを与えてくれる一冊でした。