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姑の遺品整理は迷惑です

「姑の遺品整理は迷惑です」このタイトル、直球ですよね!私の言葉では、ありませんよ。垣谷美雨さん著書の本のタイトルです。

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以前、同じ著者の「あなたの人生、片付けます」という整理収納アドバイザーが主人公の本を読んでとても面白かったので、是非読んでみたいと思い手にとりました。

 垣谷さんの本は、とても痛快で読み終わったときも、爽やかで元気になれる作品です。

 

今回の話は、一人っ子の旦那のお母様が亡くなり、一人で姑の遺品整理をすることになった50代の主人公、望登子のお話。

 

とにかく、この姑さん、物が多い!!突然亡くなったので、物の整理をする間もなく逝ってしまいました。布団、食器、新聞、鞄などなど3DKのアパートから、使わない物がわんさか出てきます。

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主人公は、仕事の合間いに片付けに通い、へこたれそうになり、片付け業者に見積りを依頼しますが、100万円近くかかることを知り、諦めます。

 

最初は亡くなった姑に、心の中で愚痴っている主人公ですが、物と向き合ううちに姑の生きた痕跡に出会い、生前、姑と関わりの会った方々から想い出話を聞き、周りの人々に助けられていきます。

大量の物を処分するって、とてもパワーがいる作業ですよね。

 

主人公が何度も、階段でゴミ置き場まで往復する場面や、80点の家具を粗大ゴミに申し込みする作業、まだ使える新品の雑貨や未開封のジュースなどの食品を人に譲る場面など、読んでいるこちらも、パワーを使います。

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物って維持するにも、労力は伴うし、捨てるときも大変だし本当に厄介だよな〜と思います。それは、物の一つの側面。

 

一方、主人公の実の母は、闘病後に亡くなったのですが、残された時間の中で、指輪一つしか残さないくらい完璧に片付けて逝ってしまいました。

 

亡くなったお母さんのことを、もっと知りたいと思っても、何も痕跡がないので、分からずに淋しい思いが出てきてしまうのですね。

 

読み進めると、物は厄介だけど、持ち物を通してその人を知る手がかりになる大きな役割りもあるのだなぁと感じられます。それが、もう一つの物の側面。

 

極端に、対照的な二人の母の様子を読むと、何事にも、ほどほどのバランスが必要なのだな〜と実感しました。

 

最初の頃は業者に頼んだ冬美(主人公の友達)が羨ましかった。

でも、今はそう思わない。姑が残した物をひとつひとつ手にとってみることが自分にとっては重要な意味を持っていた。

あの団地の部屋にあった夥しい数の遺品は、姑の人生を凝縮して見せてくれた。

お片付けを通して、人は色々なことを知り気づきが得られるのだな〜と思いました。

お片付けって本当に奥深いと思わせてくれる本でした。

 

姑の大量の物と向き合った、主人公、望登子さんにエールを いっぱい送りたい気持ちになりました。